行政書士はじめの一歩<開業10のポイント>
その4強みを生かそう
悩みの多い行政書士の開業。
何を知っておけばいいのだろうと、最初の一歩を踏み出せずにいる方も多いはずです。
そこで、独立開業する行政書士に必要な事業経営とマーケティングの10のポイントをお話して行きます。
第4回目では、自分の強みについてイメージして行きましょう。
強みを生かそう!
「強み」を生かそう!と言われても、新しい仕事を始める時、新米の自分には「強み」なんて無いと考えるのが普通でしょう。実際、実績もないうちから、「私の専門は○○です」とか「△△のことは弊事務所にお任せください!」などと宣伝することが難しいどころか、「やったことのない仕事を依頼されたら困るから」と、Webサイト(ホームページ)すら作らない人もたくさんいるようです。
それではいつまでたっても仕事は受任出来ませんし、お客様も不安で依頼出来ないと感じるかもしれません。
人は「強み」しか生かせません。出来ないことを出来るようにするより、出来ることを伸ばして行く方が、事業を軌道に乗せる近道なのは間違いありません。
とは言え、行政書士の場合、誰もが登録直後はすべてが初めてで、自分には「強み」なんてないと考えがちです。でも、本当にそうなのでしょうか?
強みで弱みを消す
ここで1つ紙に書き出してもらいたいことがあります。それは、自分の「行政書士としての弱み」です。
行政書士として仕事を始める場合の自分の弱みとなると、たくさん書き出すことが出来るでしょう。
例えば、実績がない、実務経験がない、人脈がない、女性だから頼りない、若いから頼りないと思われる、事務所が自宅だからお客様を呼べない、コストがかけられないから広告が出せない等、出来るだけたくさん書き出してみてください。
次に、今までの自分の人生を振り返り、自分の「強み」を書き出します。
これは、行政書士はまったく意識せずに書き出してください。
学生時代、もっと遡って子供の頃でも構いません、会社勤めをしていた時のことでももちろん良いです。
自分が得意だったこと、人から誉められたこと、継続出来たことなど、「これは自分の良い部分だな、強みだな」と思うところを出来るだけたくさん書き出してください。
そして、書き出した「強み」で「弱み」を消して行くことで、自分を行政書士としてどう売って行くのかを考えましょう。
例えば、「女性で頼りない」ことが弱みなら、「女性ならではの細やかな気配りで相談に応じます」という強みで消すことが出来るでしょう。
「若くて頼りない」のなら、「若さで24時間対応します!すぐにご自宅へ伺います!」のように、若さを強みにして行きましょう。
一番の難関と思われる「行政書士としての実績の無さ」は、「前職でのチームリーダーとして部下をまとめていた経験を生かし、相続業務の窓口となって他士業からの協力を得て業務を進めて行きます」や、「前職で使いこなしていたPCスキルを生かし、素早い書類作成には自信があります」など、自分の以前の経歴を「強み」としてアピール出来るはずです。
これはプロフィールの作成や自己紹介をする上でも役立つ方法です。
実績がないことや初心者であることに対してお客様から不安に思われないよう、自分の「強み」をしっかりとアピール出来るようにしておきましょう。
そして、その「強み」をしっかり生かして実績を作って行きましょう。
プロフィールには弱みを1つ入れる
プロフィールには「弱み」を1つ入れることもお勧めします。
人はマイナスをバネにして前向きに頑張っている人に惹かれます。
「病気を克服して」「離婚して子供を育てながら」「家族の死を乗り越えて」というエピソードは、本人にとってツライ出来事ではありますが、同じようにツライ想いをしている人にとって、とても励みになるものです。
自分と同じような経験をした人が頑張っていると思うと、気持ちが分かってもらえるんじゃないかと考えるのが人間です。
しかも、今はSNS(Facebook,twitter,instagram等)やブログで気軽に発信できる時代。
発信する内容に共感してもらえるかもらえないかで、売上に大きく影響します。
依頼につながるのは、自分を大きく見せるプロフィールだけではないことも知っておきましょう。
明日は「事業プランの考え方」というタイトルで、事業計画についてお話します。