はじめの一歩

行政書士はじめの一歩<開業10のポイント> その6マーケティングとは

講座時間
4:57

行政書士はじめの一歩<開業10のポイント>
その6マーケティングとは

悩みの多い行政書士の開業。
何を知っておけばいいのだろうと、最初の一歩を踏み出せずにいる方も多いはずです。
そこで、独立開業する行政書士に必要な事業経営とマーケティングの10のポイントをお話して行きます。
第6回目では、マーケティングについてイメージして行きましょう。

マーケティングとは何か

マーケティングという言葉を聞いたことがない方はいないと思いますが、マーケティングとは何なのか、一言で説明するのは難しいと思いませんか?
何気なく使っているこの言葉は、次のように定義されています。

<日本マーケティング協会>
マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。

<ある日本のマーケター>
マーケティングとは、「儲け続ける仕組みを作ること」

<フィリップ・コトラー>
マーケティングとは、製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセスだ。

<ドラッカー>
マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。

 

ドラッカーの定義を行政書士の業務で考えると、お客様の立場で考え、お客様が必要だと感じているサービスを提供し、それをお客様の方から買いたいと言ってもらえる状況を作り出すことになるでしょう。
そのためには、まずお客様目線で考え、お客様がどうしても必要なサービスを作り出し、それを必要とするお客様に知ってもらう必要があります。

更には、他の行政書士との違い、差別化(自分だけが持つ強み)をしっかりと打ち出すことで、お客様に選ばれやすい状況を作ることが出来ます。

この一連の活動をマーケティングと言います

 

マーケティングの流れ

マーケティングの流れは、例えば次のようになります。

お客様(ターゲット)の困っていることを理解する

必要とする解決策を提供する

お客様が依頼したい気持ちになる

自然と依頼が来るようになる(売り込み不要になる)

 

第5回でもお話しましたが、このマーケティングの流れを見ても、ターゲットの重要性が分かると思います。
(ターゲットについては、第8回で詳しくお話します)

まずは誰が困っていることを解決してあげるのかが決まっていないことには、マーケティングはスタートしません。

開業を控えた行政書士の方から「専門が決まらない」「専門を決めなければいけないのか?」という悩みを聞きますが、ターゲットが決まると、必然的に専門も決まるはずです。
あるいは、専門が決まることで、必然的にターゲットも決まります。

誰のために何をしたいのかが決まらずに開業となると、「何でもやります!」といったアプローチになり、それは結局「何もできません」と言っているのと同じ状態にもなりかねません。

ターゲットや専門は、日々変わってもいいと思いますので、まずは誰のために仕事をしたいのかを決め、その人が困っていることを把握し、その解決策を考えましょう

その解決策をどのように提供するのか(手続きの流れ、料金、場所等)、どうしたらその人(お客様、ターゲット)が自分に依頼したい気持ちになるのか、具体的な方法を考え実行して行きましょう。
すぐには依頼につながらないものですから、何度も改善を繰り返し、時間をかけて売上につなげて行きましょう。

売上につながる流れについては、「かみやま式5段階フロー」を意識して進めることをお勧めします!
例えば「無料セミナー」を実施して「遺言書作成」を依頼していただく場合、次のような流れになるでしょう。

 

かみやま式5段階フロー

かみやま式5段階フローとは、次の5つの流れで売上を作る方法です。

①知ってもらう
②問い合わせをもらう
③会ってもらう
④買ってもらう
⑤また買ってもらう

① 知ってもらう
  • 無料セミナーの新聞折り込み広告を出し、知ってもらう
  • 無料セミナーのネット広告、SNS広告を出し、知ってもらう
  • ネット検索であなたのホームページに辿り着き、無料セミナーを知ってもらう
② 問合せをもらう
  • 広告を見て興味を持った方から問合せをもらう
  • ホームページを見てセミナー参加の申し込みをもらう
  • ホームページで遺言書作成の料金を確認した方から、問合せをもらう
③ 会ってもらう
  • 無料セミナー参加してもらい、会ってもらう
  • 個別の初回相談に申込みいただき、会ってもらう
④ 買ってもらう
  • セミナーに参加し、個別相談を申込み、その流れで依頼してもらう
  • 個別相談と同時に、あるいは個別相談後、家族と相談してから、依頼してもらう

<依頼理由一例:話が分かりやすかった、実績がありそうだと感じた、ちゃんとした事務所がある>

⑤ また買ってもらう
  • 遺言書作成と一緒に、任意後見契約も依頼してもらう
  • 遺言執行者に設定いただき、相続の際に遺言執行を依頼してもらう
  • 知り合いを紹介いただき、遺言書作成を依頼してもらう

 

②の問合せが来ない場合は、なぜ問合せが来ないのかを考える必要があります。
問合せ先を分かりやすいところに掲載しているのか、問合せの電話は本当に鳴っていないのか、問合せメールは本当に来ていないのか、問合せが来るためには何をしたらいいのか、しっかり考えましょう。

問合せが来る場合は、①の知ってもらうことは問題なさそうです。せっかく問合せが来ても相談(会ってもらうこと)につながらない場合は、電話やメールの対応が原因になっていないか、考えてみましょう。

③で止まってしまう場合は、会って話した後に仕事につながらない原因と対策について考えてみる必要があるでしょう。
あるいは、この段階までくれば必ず仕事につながるという方もいるはずです。その場合は、何が良かったのかも考えてみましょう。

⑤のまた買ってもらうことのように、1つの仕事を次の仕事や別の仕事につなげることはとても重要です!
これは、ビジネスの奥義と言っても過言ではありません。

ここでは顧問契約などの継続型収入につなげることを意識することもお勧めします。
1つの仕事が1つの仕事で終わらないように、できるだけ定期的な収入につなげられるように、工夫しましょう。

無料セミナー(あるいは有料セミナー)から仕事の依頼につながらない場合、どの段階に問題があったのか、1つ1つ見直し、改善し、最終的に依頼につながる流れを作って行きましょう。
こういった地道な作業こそが、マーケティングです。

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次回はマーケティング用語でもある「4P」について、行政書士の業務を当てはめながら考えて行きます。